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メタボリックシンドローム

 動脈硬化の3大危険因子として高コレステロール血症、喫煙、高血圧があげられ、特にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の役割が成因として重要視されてきましたが、最近はLDLコレステロールとは独立した動脈硬化の危険因子としてメタボリックシンドロームが注目されています。
 肥満はいろいろな病気の元凶です。 なかでも内臓脂肪型肥満は要注意。息を軽く吐き、へその高さで腹囲を計り、男性で85cm、女性で90cm以上の場合は、内臓脂肪型肥満の可能性が大です。内臓脂肪がたまると、脂肪代謝が以上になり、血圧が上昇し、血液中の糖分・中性脂肪が増えます。それぞれの症状が軽度であっても、複数の症状が重なれば動脈硬化を進め、脳梗塞心筋梗塞などを引き起こしやすくなります。
 このような状態をいわゆる「メタボリックシンドローム」と呼び、中高年になると太り、動脈硬化を起こしやすい患者さんが増えてくるので、高コレステロール血症に次ぐ危険因子として注意を促すために提唱されました。
 内臓脂肪型肥満は万病のもと

なぜ、内臓脂肪型肥満が問題なのでしょうか?
 インスリンは血液中の糖を調節する働きがありますが、内臓脂肪がたまるとインスリンの働きが鈍り、糖尿病や脂質異常症、高血圧になりやすくなります。
 内臓脂肪の量はウエストサイズに反映しやすいため、内臓脂肪蓄積の目安として腹囲が取り上げられています。

どうすれば予防できますか?
 内臓脂肪を減らすためには、生活習慣の改善を行うことが大切です。
 ウォーキングなどの有酸素運動をできるだけ毎日続け、食事は腹八分目にして甘いものを控えます。
 タバコはきっぱり止めましょう。
 内臓脂肪型肥満を解消することがメタボリックシンドロームを防ぐもっとも確実で身近な方法です。
メタボリックシンドローム診断基準
必須項目
   へその高さの腹囲 男子 85cm以上
            女子 90cm以上


上記に加えて以下の2項目以上

  高中性脂肪血症  150mg/dl以上
  かつ/または 低HDLコレステロール血症  40mg/dl未満

  収縮期血圧  130mmHg以上
  かつ/または 拡張期血圧  85mmHg以上

  空腹時高血糖  110mg/dl以上

 一方、京都大学教授 中尾一和先生は、「ウエスト周囲長 男性 86cm以上,女性 77cm以上」という診断基準を提唱されていますので、特に女性の方は油断は禁物です。
 また、九州大学教授 清原裕先生は、14年間の福岡県久山町における調査結果では「腹囲が 男性 90cm以上,女性 80cm以上の方」は「心血管疾患が多かった」と米国の医学雑誌に発表されました。(平成21年4月)